護符は、呪符・神符・神札・守札とも呼ばれる札型のモノで、神様仏様そのものではなく、その依り代(よりしろ=依りつかれるモノ)となる御札に、神仏が憑依したモノになります。
この護符を携帯し易く、袋に納まるよう小型化したモノを「内符(ないふ)」といい、現在の御守りは大半がこの内符が守袋に納められたタイプとなります。お札はあくまで家に置き家を守るモノで、御守りは身に付けて個人を守るモノとされています。
内符の素材として、紙・錦・木・金属(金・銀・銅・錫など)、石(水晶・翡翠・瑪瑙など勾玉に加工されるものもある)などがあり、そこには、神仏の名前や社寺名、神像・仏像の図像、図形、宝印、呪文、経文、真言などが描かれたり彫られてたりしています。後世には、実在した武将や偉人の、刀・兜・鎧・武器・書画・愛用品なども内符に置き換えられて、ご神体として納めてられるようになりました。
御守りは、神社仏閣側の神聖なる儀式と参拝者の畏敬の念をこめた儀式が出会って、初めて授与されるべきモノとなるのです。
そして人々は、護符を内符として守袋に籠め、肌身離さず持ち歩くようになりました。
これは、護符が神様仏様の依り代であり、その神様仏様は"汚れ"や"穢れ"を嫌います。このため、内符を保護するため、または神様仏様からいただいた御神威の力を逃さないようにする為に、守袋に納められるようになったとされています。
また、神仏の御影(姿)などが明確化されるとその御神威が失われるとされてきた古来の信仰・風習「隠身(かくりみ)」の影響もあり、あえて袋の中を見せないこととした可能性もあります。
それ以前は専用の守袋もなく、それぞれ個人で用意していたようです。そして時代と共に、神社仏閣にて最初から守袋に納めた状態での授与が大半を占めるようになり、現在の御守りの形態に定着したようです。
また守袋は、他の神社仏閣の御守りとの差別化や、社寺名・願意・御神徳などを明確化させるスペースとして、多彩なデザインが考案され、表現されるようになっていきました。
御守り(内符)は、神様仏様そして神社仏閣を縮小したものです。しかも単純な縮小ではなく、小さくなる事で本来のものより親しみを持つ事ができ、より強い力を持つものとなる、“縮小”なのです。そして手のひらサイズとなり、実際に触れてみる事が出来るのです。これが神様仏様の「手応え」となるわけです。
このように、守袋に保護されている内符と、本殿・本堂に保護されている御神体(鏡・御幣など)や仏像は、同じ仕組みといえます。こうしたことから、御守りは神社や寺院そのものを持ち歩いているともいえますので、畏敬の念をもって丁寧に、そして大切に扱うようにを心掛けましょう。
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