基本的に御守りの形態をはじめ、それに伴う各部分の名称は、神社仏閣、奉製会社によって様々で、どれが正解というものはありません。しかも、各部分に関しては名称が付けられていない場合が多いようです。
しかし、名称がないと御守りを解説していく上で困難ですので、私が神職者や奉製会社の方々とのやりとりで使用している名称、あるいはオマモニア独自の名称を表記しておきます。オマモニアとしては、この一般的な8:5の御守りを「八五郎(はちごろう)型」と呼んでいます。
●角(かど)/肩落とし
上部の左右の肩の部分は角が中に折り込まれています。絵馬の形に似せたという説が一般的なようです。内符を保護する役割の御袋として、ご神体をある程度袋の中で固定できるよう、折り込まれた形のように思えます。角度は45度と30度が主流のようです。
●二重叶結び/封じ結び/四つ目紐
袋を閉じる機能として、また御守りに華を添える縁起の良い装飾文様として、そこに目に見えない力が宿っている目印として「結び」があります。表面の結び目の中心が「口」、裏面の中心が「十」になっているので「口」+「十」=「叶」というギミックも含んでいるようです。これは最近になってからですが、「∞=無限」を表す形に似ており、更に二重にもなっている事から「幾重にも強く願いを叶えてくれる」という想いをカタチにした結びとも言われています。
この「二重叶結び」と見た目が似た結びとして「封じ結び」があります。“封”をする結びの一つで、中味を開かない袋などに用いられるようです。外見の違いとして封じ結びは、下部の小さな輪が無く、結び方は全く異なります。意味合い的にはこちらの結び方なのですが、現在の御守りの大半は「二重叶結び」となっています。
また、「結び」の名称ではないのですが、縫製業者など関係者の間では、「四つ目紐」「叶紐」とパーツ名称で呼ばれています。
御守りの大きさによって結びの大きさが調整されています。このバランスが重要で、御守りの見た目を左右し、品格や雰囲気にも影響します。
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