御守りの主役である内符です。普段拝見することがない内符ですが、大体どのようなものが内符を模っているのかは、御守りを知る上で大切なことです。実際、神社仏閣でも、内符だけを授与している所はあります。よって絶対に見せてはいけないということはありません。※下記以外にも様々な内符は存在しています。写真は一例です。
ただし、神様仏様は汚れ(ケガレ)を大変嫌いますので、袋を開けて見る事は極力控えましょう。
また、封印を解くこととなり、ご神威が拡散、軽減してしまう可能性もありますので、大切に袋に籠めておくようにしょう。
A. 紙札
本来は和紙で出来ており、包まれるように折り込まれた内符です。御守りでは最も多くみられる内符です。包みの中には、更に神璽や神様仏様名や霊威を表す図形・図像、印(神璽*)、呪文、経文、ご真言が入るものもあります。最近では普通の紙(洋紙で金色のものとか)もあります。白和紙に墨色で社寺名、朱色の神璽が入る形が基本形となります。縦5cm、横2cmが最も多く見られる大きさとなります。
B. 錦札
芯となる地板を錦で包む内符です。大概は朱色地で、神紋と社寺名が金糸で入ります。なかには「御守」とか「御守護」とシンプルに入り、裏面に社寺名や雲紋が入るものもあります。紙札より若干小型のものが多く見られます。紙札の次に多い内符です。錦札は織り上げられているので、紙札にくらべ手間暇かかっている内符となります。織りの出来栄え、形のゆがみが出やすい内符となります。
C. 木札
木片を用いた内符です。紙札と同様に、社寺名や神仏名に朱色の神璽*が入る場合が多いようです。角は落とされ八角形となります。これは「八」が末広がりであること、古代中国の「八卦(はっけ)=事物事象を表す」の影響もあり、日本では特に好んで使用される数字となります。また「円」と「正方形」の中間のカタチともされます。
木札の内符は、時に撤下古材(てっかこざい)**もしくは、神社仏閣ゆかりの古材や御神木を使用した神聖なものを使用する場合が多く見られます。
よって、古来からある自然のモノを御守りとする意図に添った内符と言えます。
D. 和紙 + 木板
木板(撤下古材**もしくは、神社仏閣ゆかりの古材)に神璽やカミサマのお名前や霊威を表す社寺名、図形・図像、印(神璽*)、呪文、経文、ご真言を焼き印で入れたタイプです。一般的な木板タイプは墨書きや印刷となり、退色しやすく落ちやすいのですが、焼き印タイプは耐色性があり、肌守りの流れをくむ守札といえます。
E. 偶像/石/勾玉
素材や形、大きさも様々で、御神像や仏像、勾玉や水晶、小判、お米、七福神などの縁起物を模った御神体(御本尊)となります。そのまま収められていたり、和紙に包まれて収められていたりします。
守袋を開けて見ることのない御神体(御本尊)に、ここまでこだわる神社仏閣側のアイデンティティと参拝者に対する想いを感じる内符となります。
オマモニアにとって、サプライズ的な喜びを感じれる内符となります。
F. 木板に焼印・刻印
木板(撤下古材**もしくは、神社仏閣ゆかりの古材や御神木)に神仏名や霊威を表す図形・図像、印(神璽*)、呪文、経文、ご真言を焼き印で入れたタイプです。一般的な木札の内符は大半が印刷となりますが、擦れに弱く、退色しやすいのですが、焼印・刻印タイプは耐色性があり、時間の経過と共に味わい深くなります。なので1体1体の色味や焼きの入り具合が異なります。江戸期に登場した肌守りを継承した内符と思われます。
*神璽とは=神社の祭神の御印のことです。朱色で表現されていることが多い様です。
**撤下古材とは=伊勢神宮などの御遷宮後に各神社などに下げられる御用材のことです。
END