自分が参拝して、気分が高まった神社や幸福感を得た寺院などがあった場合、その神社仏閣の御守りを、大切な人と共有するため、分かち合うために、大切な人の分まで御神威を授かって帰り、手渡しで御守りを贈るのもよいと思います。御守りは、その土地、その神社仏閣の特徴を意匠に取り込んで奉製されているモノが多くあります。その神社仏閣に参拝しないといただく事は出来ない(通販を行っている神社仏閣もありますが)ので、良きお土産ともなります。神社によっては「御守り用手提げ袋」を出している所もあります。
御守りの話ではないのですが、似た話としてお土産で有名な縁起物「こけし」があります。
元は子供向けの玩具でしたが、いつしか湯治に訪れた農民の「心身回復」とイメージが重なり、自分たちの街や村、家へ「生命力=五穀豊穣・延命長寿・多産祈願」を運ぶ縁起物として、また「赤物」という赤い染料を使うことで疱瘡(天然痘)から守ってくれる「厄除け」の象徴として、「こけし」がお土産とされました。
このように、御守りも新たな地へと福(御神徳)を運ぶ縁起物としても存在しているのです。
御守りを贈ること…それは、自分のいただいた”幸福”を大切な人への”福のおすそ分け”としてとらえ、どんどん周りの人へ“力に満ちた気=元気”を配りましょう!これが本当の「気配り」です。
日本には現在、神社約80,000社、寺院約70,000寺の計150,000社寺があると言われています。これは相当の数で、日本のコンビニ数が約53,000店(2015年10月現在)と比較するとよくわかります。
その全ての神社仏閣が御守りを授与しているわけではありませんが、御守りを扱っている神社仏閣の大半は、いくつかの願意の御守りを授与しています。多い所では御守りの種類が100を超える社寺もあります。このため日本全国に存在する御守りの数と種類は、想像を超える量となってることは事実です。
これほど多種多様な御守りが存在する国は世界でも珍しいと思います。それは、いかに日本人が縁起を大切にする人種で、様々な”神様仏様”や”人”、”モノ”に「あやかりたい」「すがりたい」という気持ちを強く持つ民族であり、常に神仏と寄り添って生活を営む姿の表れでもあるのです。
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